エージェントとの相性と、相談しやすさを左右する“担当者の違い”

エージェントを複数利用してみて、思った以上に大きかったのが「担当者との相性」です。同じ会社でも、人によって印象がまったく違いますし、対応の仕方や距離感が異なるだけで、こちらの気持ちの開き方もずいぶん変わってきます。

たとえば、大手エージェントで初めて電話をくれた担当者は、とても明るくハキハキした方でした。質問にも的確に答えてくれた一方で、どこか“マニュアル通り”という印象が拭えず、「こちらの話をちゃんと聞いてくれているのかな…」という不安も感じました。転職活動に慣れている人にとってはテンポよく進むかもしれませんが、当時の私には少し距離を感じてしまったのが本音です。

逆に、中規模エージェントで対応してくれた担当者は、ゆっくりとした口調で、私の話を遮らず最後まで聞いてくれました。決して派手な提案はありませんでしたが、「急がなくて大丈夫ですよ」と言ってもらえたことで、心に余裕ができ、自然と信頼も深まっていきました。

担当者の印象は、そのまま“その会社全体の印象”にもつながってしまうものです。たとえ求人の内容が良くても、担当者との波長が合わなければ、情報の受け取り方も違ってきますし、信頼して任せることが難しくなることもあります。

私は途中で担当変更をお願いしたことはありませんでしたが、ネット上で検索すると、「合わないと感じたら変更してもらった」という体験談も少なくありませんでした。「話しにくいな」と感じた時点で、遠慮せずに意思を伝えることも、安心して転職活動を進めるためには大切なことだと、今になって思います。

エージェントのサービスそのものはとても便利で心強い存在ですが、結局は“人と人との関係”で成り立っています。こちらの気持ちや背景にしっかり耳を傾けてくれるかどうか、上から目線ではなく、同じ立場で寄り添ってくれるかどうか。その違いが、安心して相談できるかどうかを大きく左右すると実感しました。

今振り返っても、最終的に信頼できる担当者に出会えたことは、私の転職活動の成功において、非常に大きな意味を持っていたと思います。

小さい会社 社長が嫌い